Endless Time

5/5
3133人が本棚に入れています
本棚に追加
/149ページ
「おー今日は早いな」 「えへへ」 ポンポンと頭を撫でる大きな手。 そのままその手が私の手を包み込む。 「今日は、麻衣の家に行くぞ」 ニコリと微笑んだ響先輩の言葉に、私の妄想が膨らんで行く。 「あのねっ、今日…お母さんね… お友達と夕食会だから留守なんだって」 「…へぇ…」 …あれ? ……猛獣さんはドコに行ったのかな? そう思いながら見上げた私のおでこを響先輩がコツンと小突く。 「じゃー今日は特訓だな」 ああ…ヤバイ… また頭がクラクラする…。 ど…どんな特訓なんだろう?? 顔を真っ赤にした私を覗き込んで、ニヤリと笑った響先輩が言った。 「お前…期末最悪だったろ。 だから今日は、めいっぱい特訓してやる」 …は……? 「だって俺と同じ大学に入りたいんだろ?」 「…うっ…」 言葉に詰まった私に大笑いしてる意地悪な赤い髪。 「ぜってー同じ大学に入らせてやる。 お前とずっと一緒にいたいから」 …微妙な気分だけど… それでもやっぱり嬉しくて。 「あのね…響…」 「あ?」 「……愛してる」 切れ長の瞳がじっと私を見つめる。 「…だから…」 「……………」 「先に言うなっていつも言ってんだろ」 そう言いながら抱きしめられた大きな胸の中。 ゆっくり落ちて来た唇に私はそっと目を閉じた…。 ------- END -------
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!