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「麻衣ちゃんおはよう!」
朝の通学路。
今日もキラキラの笑顔でそう声をかけてくれるのは、半袖のYシャツに少しネクタイを緩めた誠くん。
「あ、誠くんおはよう。
あれ?木村くんは?」
「あー…大地はアッチ」
そう言って笑いながら誠くんが振り返って指差した先には、すっかりイチャイチャ全開の秋穂と仲良く手を繋いで歩いてるデレデレ状態の木村くんの姿。
「あはっ!相変わらずあの二人は仲がいいよね」
「全くだよ。
見てらんねーし」
アハハと誠くんと笑い合う。
季節はすっかり夏。
3月に響先輩が卒業して、都内の医大に進学。
そして私は高校2年になった。
「草薙先輩は元気?」
「うん、でも最近サークルに入らされたとかで忙しいみたいだよ」
「そっか。
でも麻衣ちゃんは幸せそうだね」
「…あは…まぁ…」
誠くんに顔を覗き込まれて思わず赤面してしまう。
「ぷっ…麻衣ちゃん顔真っ赤だよ?」
「もうっ…誠くんの意地悪!」
「はははっ!」
すっかり友達として笑い合えるようになった誠くんと今年から同じ教室へと向かう。
2年のクラス換えで、私と誠くんと秋穂と木村くんは同じクラスになった。
優奈と真奈美は別のクラスになってしまったけど、お昼休みになると、二人もお弁当を持って私たちの教室へと来てくれて、相変わらず4人で一緒にご飯を食べたりするけど。
色々な意味で私の高校生活はキラキラと輝いている。
全ては…
私の大切な愛しい人。
草薙響と出会って…
彼に恋をした事から始まったんだ。
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