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「そう言えばさぁ、麻衣と草薙先輩ってさぁ…」
お昼休み、お弁当をつつきながら優奈がポツリと言い出した。
「な…何っ?」
どことなく意地悪そうにニヤリと微笑んだ優奈が私の鼻をツンツンと突く。
「まだ…なんでしょ?」
「へっ??」
私の反応に真奈美がゲラゲラと笑って言った。
「麻衣は相変わらずうといよねー…。
だからぁ…優奈が言ってるのはアレよ、アレ!」
「同じ日に付き合い出した秋穂と木村くんですら先週…ねぇ」
ニマニマと笑いながら言った優奈に秋穂は少し顔を赤くして
「わ…私まで巻き込むかなぁ?」
なんて言いながらもなんだか嬉しそうに笑ってるし。
「そ…そんなのっ…わ…私と響には…」
「うふふ、麻衣も素直じゃないねー。
ホントはそろそろかななんて思いながらデートの時は下着選びで悩んでるんでしょー」
優奈の突っ込みに思わずグッと言葉に詰まる。
…ず…図星だけに反論出来ない。
「…でも…
やっぱそういう事しないのって…おかしいのかな??」
「うーん…まぁ草薙先輩だって立派な男なんだしねぇ…
やっぱ我慢してるんじゃないのかなぁ?」
真奈美の言葉に秋穂もウンウンと頷いてる。
「…そう…だよね…」
ガックリと肩を落としながら呟いた私に秋穂が肩を叩きながら言った。
「今度の草薙先輩とデートの時に麻衣からアピールしてみたら?
ちなみに私も実は自分からアピールした部分もあるのよ?
まぁ大地は猛獣みたいな男だからすぐに食いついて来たって感じだけど」
クスクス笑いながら言う秋穂に思わず私は身を乗り出した。
「アピールって…ど…どうしたら良いのでしょうかっ?!」
「麻衣、がっつきまくりじゃん!」
優奈の突っ込みは完全スルーで私は秋穂に迫った。
「んー…ちょっと胸元の開いた服を着るとかー
あ、なるべく脱がしやすそうな服にしないとダメよ?」
「…ふ…ふむふむ…」
思わずメモを取ろうとする私に優奈と真奈美はお腹を抱えて笑ってるし。
だけど…
本当にこの頃の私は必死だったんだ。
付き合って半年も過ぎてるのに…
キスから先に進もうとしない響先輩に、なんだか不安を感じ始めていたし…。
私って…そんなに魅力がないのかな…?
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