Time 1

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その日の夜、付き合い出してから毎日くれる響先輩からの着信音が鳴り出す。 「もしもしっ」 『おう、麻衣。 ちゃんと勉強してるか?』 「しっ…してるよっ!」 実は、優奈からもらった『男を惑わす小悪魔ファッション』なんて記事が載ってる雑誌を食い入るように見てたんだけど。 『今週の土日はサークルも休みだから、どっか出かけようぜ』 「ほ…ほんとっ?」 『ああ、ここんトコ忙しかったから、なかなかゆっくり遊んでやれなかったし… たまにはドライブでも行くか?』 「うんっ!行くっ!」 『よし、じゃ弁当作って来いよ?』 「うんっ!」 『ん。じゃ土曜日の朝迎えに行くから寝坊すんな』 「がってん承知した!」 『ぷははっ!なんだそれ』 付き合って半年でようやくまともに会話出来るようになった私たち。 相変わらず上から目線の俺様な響先輩だけど… 彼に愛されてるっていつでも感じていれるから不安なんてなかった。 だけど… 今週末こそ… 私は大人の女になってみせるっ! 電話を切った後、私はクローゼットの中の服を引っ張り出して 小悪魔ファッションとやらになりそうな服を選んでみる…。 けど… 「全然ダメだぁぁぁぁ」 頭を抱えて悶絶してる私に救いのメール。 『明日、学校帰りに小悪魔ファッション探しに買い物でも行く?(笑)』 秋穂様っ! ナイスタイミング! 『お願いしますぅぅぅっ!!』 期待の週末に私は胸を弾ませていた。
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