人生設計

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ピンポーン 昼寝をしていたこの部屋の住人である田中はそのインターホンの音で目を覚ました。 「ん?誰だ?日曜の昼間に.......」 まだ頭の中が半分寝ている状態で田中が玄関を開けると、そこには訪問販売にやってきたという感じの男が立っていた。 「どうも、株式会社ライフです」 「どうも......」 その男は21歳の田中少し年上ぐらいといった感じだった。 「今回は素晴らしいお話を持ってきました。中にいれてもらっても良いでしょうか」 「はぁ.........」 断ることができず部屋の中に案内し、名刺を渡すと男は話し始めた。 「人生設計はお済みですか?」 「保険になら一応入っていますが........」 「ではまだという事ですね」 「ち、ちょっと待ってください。大体あなたは何を売りにきたんですか?」 「人生の計画です。必ずその通りになりますよ」 「はぁ?」 田中は意味がわからず困惑していたが、男は話を続けた。 「現在21歳ですね、希望結婚年齢と希望死亡年齢を教えて下さい」 「そんな事まで決められるんですか?」 「はい。この二つがベースです。オプションなどもありますがそれ相応のお支払い金額となります」
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