恐怖の余波

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ここは空間を無理矢理に開拓した『白の間』。周りを囲んでいる白い物質の強度も、その不安定な空間の『歪み』を維持するためにかなり高めに設定されているはずだ。はずなのだが。 バッゴォ!!という爆音と共に、第六位を中心に同心円上に床が砕ける。 「おぉぉぉぉあぁぁあぁぁぁっ、あぁぁぁぁぁあッッ!!」 下に振るった腕は真っ白な床に肘まで埋まっているにも関わらず、弥高の体は尚も後ろへ下がろうとする。 瞬時に行動したとしても、実際動きが止まったのは、やはり二人が最初に睨みあった辺りの距離が開いていた。 腕を床に突き刺したまま弥高は渋谷を鋭く見据える。 「クソッ!!」 対して渋谷は涼しく肩をすくめる。 「単調すぎて呆れますね弥高様。なにかお忘れではありませんか?私は『劣悪な十傑』なのですよ?生半可な実力で敵うとでも?」 「いやぁ。一応は全力だったんだけどなぁ。誰かさんが変な攻撃してくれたお陰で全然届いてないわ。…解いてくれね?」 「…私を気絶させれば強制解除にはなりますが」 それじゃ意味ねぇよ。と弥高は吐き捨てる。 下へ下へと動こうとする体の動きはまだ収まっていない。そこに加えて今度は真後ろだ。はっきり言っていつまでもつか分かったものではない。 次にどのような攻撃を喰らうか分からない。そもそもメカニズムさえまだ解析できていない。 (…おそらく次の一発で終わるな。でもごんぞーはその気になりゃあいつでもオレを……………ん?) 前を見据えながら次の作戦を考えていた弥高だったが、なにかが視界を掠めた。
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