電車王子

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「ううん、いつも通り、乗ってた…」 「だったら“おはようございま~す!”とか “いつも一緒の電車ですよねぇ~”とか楽に言っちゃえば良かったのに。」 「そのつもりだったの! …だけどっ!!だけど、声を掛けようと思って一歩近付くと… すっごくキラッキラしてて…眩しすぎて…」 そう…。 私は、絶賛片思い中。 それも、名前も年齢も、彼女の有無も何も知らない人に…。 いつも私が通勤してる電車に、私より先に乗ってて、後に降りてるあの人。 どこから乗ってるのか、どこが目的の駅なのかさえ、私は知らない… 「とにかく、もう半年以上ずーっと同じ事で悩んでるんだから、自分で殻を突破しなきゃ、一生このままだよ!?」 「うっ……」 .
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