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「おかえりなさい!」
「おかえり、藤井さん!!」
「お疲れさまでした!」
「ありがとうございます。長らく不在にしてすみません。
先に、課長に挨拶をして来ます。」
社に着いた俺たちは、熱烈歓迎を受け、望月課長のデスクへ向かった。
「失礼します。
課長。ただいま、帰社致しました。」
そう、挨拶すると課長は満足そうに笑顔を見せた。
「良くやったな。
期待を大きく裏切って、財産を残してくれたと、ニューヨークの支社からも連絡があった。」
「ありがとうございます。」
「松下さんも、よく藤井に着いて行ってくれたね。」
「私は別に何もしていません。
藤井さんと二人で国外って響きで承諾しただけですから。」
歯にモノを着せぬ話しに、驚きを隠せない俺と課長。
「っ!?」
“お前、まさかっ!”
と、突き刺す視線を送る課長に、身の潔白を主張する為に思い切り首を横にふる。
「なーんて。冗談です。
ホントは、何か有ったら良いなーって思ったのは本当ですけど、藤井さんってば、よそ見の“よ”の隙も見せてくれなくて。
本当に残念だったけど、仕事の面ではたくさん勉強させて貰いました。」
「そうか。
まぁ、疲れも有るだろうから、明日はゆっくり休んで時差ぼけ解消しておくように。」
「はい。ありがとうございました。」
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