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会社に向かう道で、必ず通る場所がある。
そこは…
和馬さんに初めて話しかけた河川敷。
私が、和馬さんに話し掛けたくて
初めて嘘をついた場所…
「はぁ…はぁ…」
肩で息をして立ち止まると、河川敷の向こうから、人影が見えた。
「和馬…さん?」
私には、その人影が和馬さんに見えたんだけど、
どこかで“そんな訳ない”って
そう思う自分もいた。
私はその場に立ちすくんで、その人影を見つめる…
距離が近付くと、私の心臓は抑えきれないくらいに騒ぎ出す。
そう。
あの時みたいに…!
「まどかっ!!」
私の名前を呼ぶのは、もちろん…
「和馬さん!!!!」
私は迷う事なく駆け寄って、叫んだ。
「助けてください!」
「えっ…?」
「お願い、助けてください…」
「まどか…?俺はっ!」
「大好きでっ!
…大好きで、大好きで、大好きで、大好きで…
どうしょうもないくらいに大好きな人がいるんです!!」
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