電車王子

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同じ電車に乗る彼を、目で追っていたの… いつも片手に本を持ってるアナタ。 背中から太陽の光を浴びて、キラキラしてる… 少し茶色の髪。 キレイな顔立ち。 艶っぽい瞳に長い指先… 電車の吊革を掴む腕のたくましさが何とも言えない… 彼の全てが私の理想。 たまに電車に居ないとすごく心配になったりもして… いつの間にか… 自分でも驚くくらい 名前も知らないあなたを、こんなに好きになってしまっていた。 今日こそは挨拶くらいしてみようかな。 いや… 3キロ痩せてからにしよう! ううん… 少しでも可愛く見られる様に、髪型を変えてからにしよう! そんな風に、自分に言い訳しながら、はや半年。 結局、何も出来ないまま… あっという間に時間だけが過ぎてしまっていた。 私は勇気を振り絞れずにいた。 自分に、自信がないのかな… .
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