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ふと、よぎった芹奈ちゃんの陽奈への言葉…
「陽奈?芹奈ちゃん心配してたよ。」
「えっ?」
「芹奈ちゃん…自分が使ってる薬が高額って知ってるみたいでね…
それで、治療費の事で陽奈が苦しむなら、自分は治らなくて良いって言ってた…」
「芹奈が…!?」
「うん…私は、陽奈の気持ちを代弁したつもりだけど。
芹奈ちゃん、心配してたよ…」
「…心配しなきゃいけないの…私なのに。
逆に心配かけちゃってたんだ…」
「大切だからだよ…
大事な人だから、心配しちゃうんだよ…
だから、もうあんな無茶はしないで…?」
「まどか…」
私を見つめる陽奈の瞳には、今にも溢れ出しそうな涙がいっぱいだった…
それからは、特に会話という会話は無かったけれど
私たちの間に流れる温かい空気が、場を和ませてくれていた。
「おやすみ、まどか。」
「うん、おやすみ。」
そう笑顔で別れた。
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