涙に濡れた想い

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そして、ゆっくり歩いて公園に着いた私達は ブランコにそれぞれ座った。 「懐かしいな。ブランコとか、何年振りだっけ。」 「私も、もう子どもの時以来かもしれません。」 そして、私たちの間に少しの沈黙が流れる。 私は、一気に空気を吸い込んで言葉を発した。 「あのっ!」 「ん?」 「藤井さん…好きな人とか…いますか?」 私は、キッカケを掴むためにそう切り出したの。 藤井さんは、私の言葉を予想していたかの様にやさしく笑って ゆっくり息を吐くように言った。 「……いたよ。」 ―ズキン 予想はしていたけれど、藤井さんの口から直接聞いてしまうと 胸が締め付けられそうになる… “いたよ” この言葉に隠された思いがどれだけのものか知らない私でも すごく切なく感じたのは、不思議な感情だった… .
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