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「さぁさーの葉さぁらさーらー」
ゆったりした可愛い歌声が部屋の中に響き渡る。
「アリス?」
「あ、チェシャ猫!」
「何をしているんだい?」
「もうすぐ、七夕だからね、笹に付ける飾りを作っているのよ。」
と、いい、アリスは色紙をみながら微笑んだ。
「タナバタ?」
「うん。あ!チェシャ猫もしかして知らない?」
アリスはハッとした顔でボクを見た。
「ううん。知ってるよ。」
知ってるよ。
君がまだ、小さかった頃の話だけれど。
君は今と同じように嬉しそうに飾りを作っていた。
―七夕ー
蝉という虫が元気よく鳴いていた夏の日…
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