◆七夕◆

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「さぁさーの葉さぁらさーらー」 ゆったりした可愛い歌声が部屋の中に響き渡る。 「アリス?」 「あ、チェシャ猫!」 「何をしているんだい?」 「もうすぐ、七夕だからね、笹に付ける飾りを作っているのよ。」 と、いい、アリスは色紙をみながら微笑んだ。 「タナバタ?」 「うん。あ!チェシャ猫もしかして知らない?」 アリスはハッとした顔でボクを見た。 「ううん。知ってるよ。」 知ってるよ。 君がまだ、小さかった頃の話だけれど。 君は今と同じように嬉しそうに飾りを作っていた。 ―七夕ー 蝉という虫が元気よく鳴いていた夏の日…
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