18人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「さぁさぁのぉはぁさぁ~らさらぁ~」
可愛い歌声が聞こえる。小さなボクらのアリスの声だ。
アリスは机に向かい何かをしていた。
「何をしているんだい?ボクらのアリス。」
「あ!チェシャネコ!あのね。たなばたがねあゆから、あの木にね、お願い事を書いた紙を飾るんだぁ」
アリスは笹を指刺し嬉しそうに笑った。
「そう。アリスはなんてお願い事をしたんだい?」
「うんとねぇ、みんなと一緒にいれますようにって!」
アリスは幸せいっぱいの笑顔をボクに見せた。
「そうか。」
「チェシャネコもお願い事書く?」
とボクに長方形の緑色の紙を渡した。
ネガイゴト…
ボクは一つの願いをこの紙に込めた。
「かけた?」
「かけたよ。」
「じゃあ、飾ろ!!」
アリスはボクの手を引っ張り、笹のところまで連れてくると肩車してと言った。ボクはそれに従い小さなアリスを肩車した。
アリスは上手く笹に付けられたのか、すぐに下ろしてぇとボクの頭を叩く。
「ねぇ、チェシャネコなんてお願いしたの?」
肩から下ろしてすぐにアリスはボクに質問をした。
「知りたいのかい?」
「うん!」
「ボクらのアリス君が望むなら。」
「やった~」
アリスは両手をパチパチ叩いて笑った。
「ボクらのアリスが、ずっと笑っていられますように」
「へー…」
少し、拍子抜けした顔をしてそっかぁと繰り返していた。
その願いは今でも変わらない。
けれど、少しボクはわがままになったのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!