出会い

2/12
前へ
/14ページ
次へ
「それじゃ、お先失礼します」 俺は書類や私物をバッグにしまいながら先輩に一声かけた。 「おう、おつかれー」 その声を聞き、俺は会社を出る。 季節はまだ初秋だというのに肌寒い。 朝は着ていなかったジャケットを着込み、帰路へ着く。 電車で座れたらラッキーだなと思いながら改札を抜けるが、結局空いている席は一つもなくため息を一つ、はぁ。 ため息ついたら幸せが逃げるというがそんなの関係ない。男のタバコ、女の長電話、主婦たちのうさ話。これと同じ。つかずにはいられないのだ、はぁ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加