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部屋から研究所内の通路に飛び出ると、通路には誰もおらず、警報の音だけが鳴り響いている。
小西は状況を全く掴めないまま研究所の出口へと走り出した。
小西は走りながら、誰かほかの職員がいないかと周囲を見ている。
しかし、道中では人に会うどころか、人の悲鳴すら聞こえてこない。
聞こえてくるのは警報音、そして目に入ってくるのはサイレンの赤い光だけだ。
5分ほど走り続けてようやく、出口にたどり着くと小西は急いで扉を開けるための番号を押し始める。
「ええと、5…2…4…」
「小西先生」
突然背後から彼の名前を呼ぶ声がしたため、小西は反射的に振り返る。
振り返った先には、研究所内で数少ない女性の職員、そして小西の助手である小山が立っていた。
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