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商店街を抜けてから5分ほど歩き、家に帰ると、昇はすぐに家のすべての窓を開け、換気を行う。
そして、時計を見て現在の時刻が5時を回っていることを確認すると、慣れた手つきで一人分の夕食を作りはじめる。
匂いから今日の夕食はカレーであることがよくわかる。
カレーを煮込む段階になると、昇はキッチンから離れてリビングに向かう。
そして、ソファに座り、テレビをつけてニュースを見始めた。
画面の向こうではスーツを着た男のキャスターが今日あった様々なニュースについて淡々と話している。
「そろそろ食べられるか。」
そう呟いて、夕食を食べようと立ち上がるとキャスターが原稿を入れ替えて、新しいニュースを読み上げる。
「Hony社cube体験失踪事件から一年がたちました___」
昇はテレビを消した。
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