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碧色に輝き始めた『リトスの書』。
少しずつ浮かび上がって行く『神字』で書かれた文字達。
また一つ、新しい物語が始まったようだ。
その結末は――……
……――僕は、ゆっくりと本を閉じる。
「行こうか、クロノスターリオン」
僕の呼びかけに応じて、傍で眠っていた『蒼鳥の王獣』が目を覚ました。
その 巨獣の背に跨り、僕は目的地への言葉を伝える。
「ドラクロアまで飛んで――」
無言のまま頷いた彼。
次の瞬間に、額に風を強く感じた。
羽織っていたローブが頭から大きくめくれ上がって、僕の金色の髪の毛が 一定方向に向かって大きくなびく。
一瞬の無重力感を体に受けた後で――
僕らは 闇夜に飛び立った。
空には 紅色の満月が光輝き、地上には薄紅色の光が怪しく注ぎ込んでいた夜だった――。
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