最後の一年間

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 晴天の日曜日。昼からだからゆっくり寝ていてもいいやと思い、すやすやと夢の中にいた。しかし、すぐに邪魔された。鍵を閉めているドアを思いっきり開けようとしたみたいでがちゃがちゃとドアのノブを回す音がした。次にドアを思いっきり叩く音がした。 「薫、おきなさい!」学校ないのに...。私はため息をつきながら答える。 「今日は休みの日だからいいじゃん」すると私の姉の千乃は近所から苦情がきそうな大声で叫んだ。 「今日は珍しく外に出るんでしょ!早く準備しないと間に合わないよ」...だからって6時に起す人がどこにいるんだ! さらに千乃は嘘泣きしながら言葉を続ける。 「お姉ちゃんと一緒に遊んでくれないの?」ため息をつきながらも私はドアの鍵を開けた。するとにこにこ笑顔の千乃がいた。 「おはよう!」 「おはよう」軽く挨拶を済ませて朝ごはんを食べることに。  どうやったら朝からあんなにハイテンションになることができるのか?同じ血が通っているはずなのにいまだに理解できない姉のハイテンションぶり。あんなのに付き合っていたら死にそうになるわ。 「お母さんはまだ帰ってこないの?」 「うん、仕事が忙しくてまだ東京にいるみたい。仕送りはしてくれているんだけどね」私はみかんを食べながらその話しを聞いた。
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