最後の一年間

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 今日は長い校長先生のお話とためになる?生徒指導の先生のお話を聞いて、それからHRをして帰れるだけの楽な一日なはずなのに、なんでこんなに疲れているんだろ。いすに座りながらため息をつくと春ちゃんがぽんと肩を叩いてくれた。 「ありがとう」素直にお礼を言った。 「いいよ」私から何か話そうとするとちょうど放送が入り、今から始業式をするようだ。あきらめて静かに席に座りなおす。  うとうとしていていつの間にか眠ってしまっていたみたいだ。数分後、足の痛みで起きた。重たい目をこすりながら私は足元を見た。すると、隣の子に足が踏まれていた。確か男子だったよな?大きく息を吸って隣を見ると花穂だった。こいつ、席変えてもらったな?私はどや顔で隣にいる花穂に思いっきり足を踏みつける。二人でにらみ合い。お互いに足をふみふみしていたので、眠れなかった。  二時間後...。 「人の足を踏むってどういう神経しているの?」 「お前だって踏んでいたろ?」 「先に踏んだほうが悪い」とただいまけんか中という看板が立っているくらいの勢いでいがみあい。するとそこに唯ちゃんが入ってきた。 「けんかはやめてよ」 「はい」花穂、おい!唯ちゃんがかわいいのは分かるが、そんなに言うこと聞く人間だったっけ?そしてそのまま二人で仲良く教室まで歩いていった。呆然と私はその様子を見ることしかできなかった。
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