知らなかった日常

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彼の、申し訳なさげな顔を見ていると、なんだか、どうってこと無いさって、言ってやりたくなる。 人と関わるのが、苦手な私が、敢えて、自ら、彼を受け入れ様として居ることが、信じられなかった。 ただ、今は、彼の事を放っておけない気持ちで一杯で、他に考えられず、囁く様に言った。 「何か、思い出す迄、ここに居て良いから。……勿論、あなたさえ良ければだけど……」 彼を窺う様に見詰めていると、少し身動ぎながら、 「……本当に!?……お姉さん迷惑じゃあない!?僕、行く所ないし、どうしようかと……考えても仕方ないし、あの……」 顔を赤らめ、涙目で、安堵した様子で、私自身も、ホッとしていた。
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