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「ぜぃ、ぜぃ、死ぬかと思った・・・」
魔女の城の中に入り、魔物の群れを振り切った三人は、膝に手を当てて一息ついていた。
しかし、これから先、獰猛な魔物達など比にならないほどの恐怖が待ちうけていることを、彼らはまだ知る由もなかったのである。
「え、そうなの? 怖いなそれ」
「いや、そんな軽いノリで済むモンじゃないと思うぞタケル・・・」
・・・知る由はあったのである。
「その『知る由』はお前だけどな語り部」
「へいらっしゃい! らっしゃいよー!」
突然、昔ながらの商店街のオッサンみたいな声が聞こえてきた。見ると、魔女の城の中なのに何故か武器屋が店を構えている。不思議だ。実に不思議だ。
「いや話そらそうとすんなよ。恐怖ってなんだよ。教えてよ」
こんな場所に武器屋があるのは明らかに不自然。三人は警戒しつつも、とりあえず近づいてみた。
「嘘つくなよ!? 僕達さっきから一歩たりとも動いてねぇわ!!! 読者の皆さん、今の嘘ですからね!? 僕達まだ謎の武器屋に近づいてなんかいませんから!!」
うっさいな君。さっきから黙ってりゃさあ、いい加減にしてくれない? 若いからって何でも許されると思ってんじゃないの? 通用しないから、そういうの、ウチでは。というよりウチだけじゃないから。どこ行っても言われるよ同じこと。いやホントに。
「だから上司か!? つーか悪いのは僕か!?」
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