第一章

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「何だぁ?いきなり」 にやついた視線にさらされて、聞く相手を間違えたかと後悔した。 だが、おかしな質問だ。 こういう反応も仕方がない。 とにかく、客観的な意見を聞きたかった。 「女は顔じゃないぞ、悠太」 純也が真面目な顔で指摘してくる。 「そう言えばお前の彼女、すげー美人らしいじゃん」 仲間内で唯一の彼女持ちである純也。 だが悠太はウワサを聞いただけで、実際に見たことはなかった。 「別れたよ。すげー我がままでさ、まいったぜ」 「顔で選ぶからだ、ざまぁ!」 嬉しそうに雅樹が叫ぶ。 そうか、美人は性格が悪いのか。 悠太はレジの彼女のことを考えた。 ―――・・・あの人も? 「うちのクラスだったら、日野とか?」 「えっ、アイツのメガネ変じゃね?」 「馬鹿、部活中メガネ外してるだろ。あれは将来化けるぞ」 ―――日野 紗耶香は美人の部類に入るのか。 考えたこともなかったな。 でも、あんまり話したことないけど、そんなに性格ブスって感じじゃない―――。
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