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純也と雅樹は学校の【イイ女】の名前を次々と挙げていった。
―――そこに幼馴染の名前が入ってきたときには耳を疑ったが―――言われてみれば確かに、クラスにもバスケ部にも美人と言える女子が何人かいる。
今までに、美人に反応して体温が上がったことなんてあっただろうか。
悠太は自問して、すぐにいいや、と答えを出した。
むしろ、今こうして名前を挙げられなければ、美人だと意識することすらなかった。
「悠太、ついにバスケ馬鹿を卒業して、女に目覚めたのか」
純也の目が光ったのを見て、悠太は舌打ちする。
「ちげーよ」
「悠太、お前・・・男にだけは目覚めるなよ!」
何故か青ざめて言う雅樹を、純也が代わりに蹴っ飛ばしてくれた。
「俺は美人より可愛い系がいい!」
蹴られたことなど気にもせず、雅樹が宣言する。
「ああ、柏木あたりはどっちかって言うと可愛い系かもな」
「柏木ー!!アイツはダメ、真面目すぎ」
ヤダヤダ、と身体をくねらせる雅樹に、お前は選べる立場か、と純也の容赦ない突っ込みが炸裂した。
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