第二章

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「つーか、いきなりどうした?変な夢でも見たか」 純也の質問に、一瞬詰まる。 丸々すべて話すのは気が引けた。 「いや、俺今まで白黒の夢しか見たことなかったのに、今朝の夢に色がついててさ」 それで済ませたかったが、案の定、雅樹が食いついてくる。 「へえ!何、どんな夢!?」 「あんま覚えてねーんだよ」 夢がカラーだったところで、異常事態ではない。 それが分かったのだから、これ以上夢の話を引っ張りたくなかった。 ところが、すぐ近くの席にいた女子が話に首を突っ込んできた。 「ねえ、それって何か意味があるかもよ。夢の色って、感受性とか精神状態に左右されるんだって」 「は?お前、詳しいの?」 「前に変な夢続けて見たことがあって、気になっちゃったから夢占いの本買ったの」 と、彼女は嫌な夢を思い出したのか眉根を寄せた。 「色付きって、フルカラーじゃなくて、単色だった?」 悠太は軽く頷く。 「ならその色に意味があるかも。何色?」 調べてきてあげるよ、という彼女のその質問に、悠太は口ごもった。 ―――ピンク、なんて、言えるか。
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