ハロウィン短編

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「かぼちゃプリン食べたい」 「…………あ?」 「かぼちゃプリン食べたいの! コンビニとかで売ってる、期間限定のやつ! 今すぐ買ってきて!」  俺の彼女はわがままだ。付き合って二年とちょっと。最近ますます突拍子もない無茶ぶりが増えた気がしてならない。 「なんで俺が。寒ぃよ!」 「男でしょ!」 「関係ねーだろそこは。自分で行けよ。俺はここを動きたくない」  そういってコタツに潜り込む。つい数日前出したばかりのコタツは、ぬくぬくしていてあったかい。もう一生ここから出たくなくなるくらいあったかい。  てか出ねー。コイツのわがままに毎回毎回付き合わされてたまるかっつーの。  意地でもコタツから動かない、という決意のもと、頭まですっぽり潜ってじっとしていたら、急激にコタツ内の温度が上がり始めた。  快適だった俺の天国が、いきなり灼熱地獄に!  どうやらコタツの設定を、強にしたらしい。今まで弱か中くらいだったのに。  たまらずコタツから飛び出すと、目前にはにっこりと魔性の笑みを浮かべた美和(みわ)の姿が。胸元のぱっくり開いたセーターを着ているのもあって、美和の白い胸も。  ついそっちに目がいってしまってはっとした。
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