ハロウィン

14/15
前へ
/74ページ
次へ
圭介は喜びの声をあげ、ガッツポーズをする。 「おっと… 早く家に帰ろう…」 安堵とともに深くため息をつく。 だが、凄まじい恐怖の中走って、這いつくばったせいか体が動かない、 少しづつ体を動かし玄関前に進み呼び鈴を押した。 ピンポーン 美子が迎えてくれた。 「あら、あなたお帰りなさい… ってどうしたの、泥だらけじゃない。」 「あ、いや… 転んじゃって… あははは。」 スーツの泥を美子が払ってくれた。 「もう…いつまでも子供みたいなんだから、あなたは… 卵は大丈夫かしら?」 卵の心配をされ少し寂しい気持ちになったが、それでも生きてまた美子と唯に会えてよかった。 美子の直ぐ後ろにいる唯も心配そうに顔を覗かせる。 「おとうさん…大丈夫?」 「ああ、唯大丈夫だよ、怪我はない。」 「よかった… あっ、おとうさん 。」 「なんだい、唯。」
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加