3/5
前へ
/60ページ
次へ
しかし兄の言葉にフッと笑うと、 「そんなはずないだろ。」 我愛羅は両手を二人に向けた。 背中の瓢箪がガタガタと動く。 「げっ・・お前まで本気!?」 「逃げられないなら動きを止めるまでだ。」 砂が総動員して我愛羅の周りを蠢く。 その様子を流石にヤバイと思った二人は、自らの武器を持ってこなかった事に後悔した。 その時。 「今だっ」 「「!?」」 我愛羅のかけ声と共に、上から捕獲用網が降ってきた。 「うわっ」 「なっ!?」 網の四方にくくりつけられた重りのせいで床に倒れ、網が二人の上に覆い被さった。 頭上から二つの笑い声も降りかかってくる。 「引っかかったー!」 見上げるとそこに仁王立ちしていたのはキバとチョージ。 倒れ込んでいる自分達を得意顔で見下ろしている。 「そう簡単には捕まんないよー。」 「お姉さんお兄さん方、餓鬼の遊びだと思って舐めてると痛い目見るぜ。」 捨てぜりふを残すと、二人は笑いながら目の前を逃げていった。 我愛羅はちょこんと舌をつきだすと、キバとチョージに続いた。 残されたテマリとカンクロウ。 一瞬の出来事に動揺を隠せない。 しかし気の短い二人はそろそろ堪忍袋の緒が切れ、 「なっまいきー!!」 「こっちも本気で行かせてもらうじゃん。」 クナイで網を切り落とすと、衣服の汚れを片手で払った。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

246人が本棚に入れています
本棚に追加