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大騒ぎする友達のおかげで泣くひまもなかった。 中には、私の代わりに大泣きしたり彼に対しての暴言を吐く人もいた。 お酒に強いわけでもない私は、マンガやドラマのように記憶が無くなるまで飲むこともできなかった。 だからと言って、彼におめでとうなんて心の底からは言えない。 「瑛?」 「へ?」 「なによ、ボーッとして。早く食べないと休憩終わるよ」 お皿には半分以上残ったチーズケーキ。 時間はそろそろ出ないとアウトになる。 「ヤバッ!」 慌て口の中に放り込んだ。 その間に、椿はお会計をすましてくれたらしく、 「次は瑛の奢りね」 私が慌ている間も、優雅に珈琲を飲みほしていた。 「お疲れさまー」 仕事も終わり、更衣室に移動する途中で浮き足立つ連中が私の前にいた。 「それじゃ、19時に待ち合わせして合流しよっか」 「うん。アタリだといいなー」 「ホント。前の合コンなんてサイアクでさ」 同じ20代のはずなのに、若いなーと考えてしまう私はダメかもしれない。
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