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「確かに、苦手かも。友達も結構サバサバしたの多いし」
椿とか泉とか。
私以上に言うときは言うからな。
「自分をしっかり持ってるってことだね」
マスターは褒め言葉として言ってくれた。
でも、今の私には肯定することができない。
「……どうですかね」
苦笑いを誤魔化すようにカクテルを飲む。
口を挟まなかった嵐が、携帯を持って少し離れた。
マスターといきなりふたりにされ、先に沈黙を破ったのはマスターだった。
「……自分をしっかり持っているってことは」
独り言かと思った。
小さく呟かれたそれは、私しか聞いていない。
「他人に甘えられないんじゃないかと俺は思うんだけど」
これは、私が答えるべきなんだろうか。
「……」
「瑛ちゃんを困らせようとしたんじゃないんだ。ただ、ムリはしないほうがいい」
私とマスターって初対面だよね?
嵐から何か聞いていたら分かる。
でも、あー見えて他人のプライベートを誰構わず言うやつじゃない。
「……分かりやすいですか?」
見ただけであれこれ言われるなんて。
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