-プロローグ-

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有史以来、人類は絶えず争いを続けていた 時間はどうあれひとつの争いが終わればまた新たな争いが始まる そんな歴史が続く中、地上に巨大彗星が落ちてきた その衝撃で多くの人々は消え、多くの生物たちも死に、生態系を破壊した、そして彗星はそれだけでは飽きたらず星の環境までも変えた 地上に衝突した事により地上の塵や埃を空へ大量に巻き上げ、それが星を包み太陽光を遮り、地上に永い冬をもたらした 星が氷河期となったため、残された大半の植物は枯れ、生物は息絶え、人々も疲弊し、多くの人々は絶望していった この事で人々から争いは止まった、そんな事をしている状況ではないのだ しかし、同時に彗星は人々に希望も与えていた 彗星の破片はかなりのエネルギーを溜め込んでおり、透き通っている事から『レンズ』と名付けられた これを利用し、地上に住めないなら天に大地を作りそこに移住しようという計画が立てられた この計画に希望を持った人類は手を取り、技術を結集し、一年を掛けて『巨大レンズ 神の眼』を動力に『第一巨大天空都市 ダイクロフト』を完成させた これで救われる 地上にいる誰もがそう信じていた だが、その期待は裏切られた 先に天空都市へ上がった一部の軍や貴族は『天上人』と名乗り、地上に残された人々を『地上人』と蔑み見捨てようとした それに反発した残された人々は『地上軍』として協力し、戦争をしかけた 後に『人類史上最悪の戦争』と呼ばれる『天地戦争』はこうして始まった だが文字通り天と地の差が災いし、地上軍は劣勢を強いられ、すでに数ヵ月の月日が流れ……戦争も終盤に差し掛かろうとしていた…………
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