『しーちゃんへ』―恋愛編―

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  おばさんはびっくりしたように目を丸くしていた。 アイツ、親の前では完ぺきな”おじょうさん”を演じてたからな。 「アイツ猫かぶってたから」 「猫?」 「本当は折り紙よりも木登りがすきなおてんばだったんだ」 おばさんは悲しそうな顔をしてそのあと微笑んだ。 ん?微笑んだ? 悲しそうな顔をしたのは娘の素性を知らなかったからだと思う。 でも微笑んだ理由は分からない。 気になっておばさんにきくと、ずっと我慢をすることにならなくて良かったのだと言う。  
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