23人が本棚に入れています
本棚に追加
「…どういうことでしょうか。」
…いきなりで申し訳ありません。僕、大野春介という者です。
ただいま非常に混乱しております。
え?今の状況ですか?
パジャマで落ち葉の上にゴロン☆ですよ。
何故かはわかりませんが、起きた瞬間視界が眩み、気付いたらここです。森です。
というより僕がベッドで起きたのは朝6時くらいだったはずです。
どうして真っ赤な夕日が沈もうとしてるんでしょう。
そして、いかにもなカラスの群れを見付けてしまいました。
これじゃまるで夕方…
「お前さん、こんなとこで何してんだ?」
うわぉ☆
急に誰か来ました。
というより前髪凄いですね…
真っ黒で目まで垂れ下がった前髪。ぼろぼろの服に何故か手枷をはめられ、鉄球を引き摺ってます。ムキムキですね。
…前、見えるんでしょうか。
「…誰ですか?そしてここは何処ですか?で、その鉄球は何ですか?」
「おいおい、質問してるのは小生の方だぞ?…まぁいいが。小生は黒田官兵衛だ。そんでここは、大阪城の隣の森だよ」
鉄球はスルーですか。
ならば僕もスルーで!
「官兵衛…?えらく古めかしい名ですね。しかも僕東京にいたんですけれど何故大阪に来ているんでしょう。」
「とうきょう?何処だ、そこ。」
「東京知らないんですか!?日本の首都ですよ?」
「知らんなぁ…。そもそも『にほん』って何だ?お前さんの故郷の村か?」
「え、いやいや、この国の事ですが。」
「?何言ってんだ。ここは日ノ本だぞ。」
…意味がわかりません。
どうも黒田サンと会話のキャッチボールが出来てませんね。これじゃドッジボールです。
……………。
薄暗くなってきました。
これは本格的にヤバいですね。
下手をすれば野宿…
「…ってうわぁ!?」
突然黒田サンに担がれました。
「すまんね。お前さんを疑う訳じゃないんだが、その変な格好でうろちょろされたらちぃっとばかし困るんだよ。」
変な格好…。
黒田サンに言われたくありません!
まぁ、そんな事考えてる間にも黒田サンはどんどん進んでいく訳でして。
あーれー、です。
悪い人ではなさそうなのでこのまま連れて行って貰いましょうかね。
野宿は流石に嫌なので。
最初のコメントを投稿しよう!