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「Aクラスの魔法士が持ち合わせるようなコントラクトを駆使して、入学当日に三つの教室と十四人の男子生徒を吹っ飛ばし、次の日には訓練場の半分とその後半日分の授業内容を破壊。更にその次の日には初日にぶちのめした男子学生たちのお礼参りを再びぶち壊し、今度は倍の三十人ちょっとを病院送り」
髪をなびかせ瓦礫の上に、長刀を右手にぶら下げながら佇むルルカの後ろ姿。(シルエット)
「……その他多くの厄介事、もとい武勇伝を築き上げ、ついたあだ名が〝災厄の魔女〟〈ワルプルギス〉。大層なあだ名かとも思ったけど、その具合はまあ――見ての通りだね」
累々に転がる男子生徒達を見遣るアルベルト。
それに対してルルカは「だってこいつらムカつくんだもん!」と頬を膨らませる。
「勝手にアタシの事を呼び出して、「サシで勝負だッ!」とか言ってたくせに来てみたら八人で闇打ちだよ!? 八人!! 少なすぎだっての!」
「ぼくに言われても……」
怒り心頭でまくし立てるルルカ。たじろぐアルベルト。
「本気でアタシを潰したいのなら五十人は連れてこないとお話しにならないしィ!!」
その後ろで一人、倒れていた生徒の手元が動く。
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