913人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
凍てつく空気を纏いながら、じっと夜空に目を凝らす。
珍しく雲一つない空に散りばめられた、何千、何万という星々。
これでもかというほどに瞬くその光に目を細める。
吐き出す息すらすぐに凍ってしまいそうなのに、星の光の煌めきはほんの少しだけ私の心に温かな火を灯す。
遥か昔から変わることのない、遠い光に重ねた想いがある。
遠く遠く離れても、いつもずっと心の中にあった。
忘れることなんてできない。
あの日からずっと、私は夜空を見上げるたびに叶わない願い事を静かに繰り返している。
最初のコメントを投稿しよう!