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片倉は所謂オタクってやつなのか、
いつも、小さい本を読んでいた。
髪は他の女子と違って黒いままで、
目にまでかかりそうな長い前髪。
すげー根暗な見た目。
俺が言うのもなんだが、
こいつにも友達というものはいない。
最初こそ気味悪く思ったりもしたが、
俺が宿題を忘れちまった時、
黙ってノートを差し出してくれて、
すげー良い奴だということが判明した。
そっから度々助けられたりしたんだが、
俺が怪我しちまった時、
周りの奴らは怖くて見て見ぬフリだったが、
片倉だけは急いで手当をしてくれたんで
大事に至ることはなかった。
その日から勝手に俺は片倉のことを、
好きになってしまったのだが、
俺は片倉の顔どころか、
声すら、未だに聞いたことがない。
一度だけ「喋れよ」と言ったことがあるが
片倉はやはり喋らなかった。
まぁ、無理しいするもんでもねーから
仕方ねーとは思うが、
早くアイツの声聞いてみてーなあと思う。
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