不良と腐女子

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そんなある日のこと。 同じクラスの連れの櫻井、梶谷と 使われていない部室で 溜まって煙草を吸っていた時だった。 同じく連れの岩崎が息を切らしながら 走ってきて、事情を聞くと、 どうやら片倉が女子に絡まれていて、 大変な騒ぎにまで発展しているとのことだった。 俺は宿題のお礼だとばかりに、 はりきって教室まで行ったが、 そこからが俺の不運な恋の始まりだった。 「ねー、片倉さんさぁ。ブスのくせにぃ早川くんに色目使ってなんなのォ?」 「自分可愛いとか思ってんじゃない?」 「調子乗ってんじゃねーぞブス」 走って教室まで戻ると、掃除箱の前に 女子3人が片倉を囲むようにして立っていた。 あいつ、このは前俺に告白してきた奴じゃねーか。 そうか、フラれた腹いせに俺と友達の片倉を… 片倉、悪ィな、お前なんも悪くねーのに。 そんなことをぐだぐだ考えながら、 片倉救出作戦を結構するべく足を進める。 だがしかし、ギャラリーが多すぎて、 中々前に進めない。 ちくしょう、このままじゃ片倉が… 「ねえ、そのキモい前髪切ってあげる」 「きゃはは、もう、やめなよぉー」 俺が右往左往してる間にも、 状況は悪化していって女子A(名前は知らん)が片倉の髪の毛にハサミを当てた。 「切りたいなら切れば?別にどんな髪型にされようが、あんた達よりはマシな見た目だと思うから」 片倉が喋った!!!! じゃなくて、お前煽ってどうすんだよ!! と、周りの奴らがゴクリと唾を飲み込み、 俺が頭を抱えた瞬間、 「はぁああ?調子乗ってんじゃねーよ、ブス。」 「もう許さねーから!!!!!!!」 「キモいんだよ!!!!このオタク!!!!!!」 金属特有の音と女子の怒鳴り声が響いた。 そして床に散らばる黒い髪の毛。 その場に居た全員が女子と片倉を見て息を飲んだ。 さすがにこんなことをされたら泣くんじゃねえのか? という俺の心配はすぐにぶっ壊され、 俺は片倉愛莉という女の本領を知ることになる。 「はぁ、すっきりした。前髪切ってくれてありがとービッチ。それと、早川の見た目しか見てないんだからフラれて当然じゃん。バカなの?死ぬの?ていうか、ヲタクキモいとか何様ですか?少なくともお前らみたいに頭も股もゆるいようなブスよりはマシだし?てか、その顔で人様にケチつけれんの?」
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