158人が本棚に入れています
本棚に追加
「言ってませんでしたか? 簡単に説明すると世界は無限に存在し、繋がりを持っているのです。貴方が生前いたのは機械が発達した第二の世界。
第三の世界は“魔法”が発達していまして――名を“バルジェ”と言います。余談ですが私は第一から第五までの管理を請け負っているのです」
表情がけろっと変わり、あたかも『さっき言いましたよね』と言わんばかりの態度になっていた。彼はそれを不審に思うが、それより気になる事があった。
「神様って何人いるんだよ……魔法ってなんだ? そもそも請け負うって事は神様にも上司がいるのか?」
彼が理解できた事と言えば、世界が多い事と第二の世界に生きていた事、第三の世界がバルジェで魔法が発達している事。
「神様の人数ですか? 正直私でも数えきれません。
魔法とは魔力を根源として行使する能力の事です。それは八つの主属性、火・水・雷・土・風・光・闇・無があり、六つの階級、初級・中級・上級・最上級・神級・特殊に別れています。
上司というよりは王様に近いですが、創造神と呼ばれています。然れど彼は私たちのように自由に動けません。今は私も世界から離れられないのですが……」
彼は記憶についての事で、かなりの脳内収納スペースを使っている。だというのに神様はまくし立てるように彼の知らない単語を次々に出した。
一度に聞いたのが馬鹿だった……。
やるせない気持ちに捌け口はなく、何となく覚えておくしかない。
「さて貴方はどうしますか? ここで永遠に私の下僕として働きますか? それとも新たな生を受け、第三の世界で生きますか?」
突然話を切り上げるなり神様は選択肢を提示した。
そうだな。俺は……。
彼は椅子から静かに立ち上がり――
最初のコメントを投稿しよう!