魔法少女は存在する

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「うっらやましー……」  俺はそう呟いて、夜空にため息をついた。 俺だって高校に上がってから髪は茶色に染めたし、見た目も、まぁ平均よりちょっと上とか言っていいと思うし、身長だって百七十五センチだしまぁまぁだと思う。 学校の成績も並、運動神経も並。 他より多少ゲームが上手いとされているだけで、他は何ら普通の男と変わりはしない、と思う。  何が足んねぇのかねぇ……。  と、俺が二度目のため息が出る、と思ったその時、どーん! と、衝撃音がした。 それは俺の頭上からで、体を縮めつつも屋根を見つめる。  何だぁ?  ベランダが揺れたって事は俺の家の屋根に何か落ちたって事で。 そして俺は見た。 屋根から何かが垂れさがっている。 それは。 「……足ぃ?」
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