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間違いなく足だった。
しかも多分、女の子の足で、雨どいから垂れている。
……はぁ? な、ん? へ?
俺は混乱して、でもその足から目が離せなかった。
「――痛ててて」
足が喋った。
いや、落ち着け、違う。
女の声がして、俺は頭を振ってもう一度足を見る。
その足は、ずるり、ずるり、と下りてきて。
「あ」
「……あ?」
雨どいに手をかけたまま、女の子が下りてきた。
ベランダの柵に足をかけて、俺と目が合って固まっている。
そんな俺も固まっている。
……宇宙人、もしくは、異星人。同じか?
って日本語喋ってたじゃねーかっ!
普通、女の子は屋根の上に落ちたりしない。
しかも格好が、何か変で。
すると女の子は雨どいから手を離し、ベランダの柵から俺の隣にへと、すたっ、と着地してきた。
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