93人が本棚に入れています
本棚に追加
降りてきやがった。やっぱり気まずくて、お互い無言のままで。
人型……いやいや、人、だよな? 何なんだ、こいつ……。
と、俺が見ていると。
「……じゃっ!」
と、女の子はフランクに手を上げてそう言った。
そのまま振り向いて帰ろうとしているのか。
「はぁっ!? ちょっと待てーいっ!」
俺は慌てて女の子の肩をがっ、と掴んで止めた。
「あ、やっぱり?」
女の子は苦笑いしながら顏だけ振り向いて。
「当然、何だお前。つーか、雨どい。曲が」
「キリ! 何時だと思ってんの!!」
母ちゃん?
まずい、と俺は女の子を気にしつつ、部屋の方に叫び返した。
最初のコメントを投稿しよう!