魔法少女は存在する

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「お、俺じゃねぇ! 猫が、け、喧嘩してたっぽい!」  そう返事していた時に、女の子はまた逃げようとしていたので、俺は首根っこ、というか、服の後襟を掴んで止めた。 逃がすものか、と睨むと、女の子は諦めたようにため息をつき。 「……にゃあ」  猫の真似をしたのだった。 ―――― 「……で、あんた何者ですか」  ベランダで話すのは近所迷惑になってしまうし、また母ちゃんに怒られてしまうかも、と俺は女の子を部屋に入れ、とりあえず落ち着こうと珈琲を淹れたところだ。 ついでに女の子にも。俺はベッドに腰掛け、勉強机のデスクチェアーに女の子は座っている。 俺は珈琲を啜りつつ、女の子をじっ、と観察してみた。  髪長ぇな……ヅラ? んで、コスプレ? なんかのゲームのキャラっぽいっつーか、この格好、痛ぇなー……。
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