魔法少女は存在する

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 ……どーん? 「驚かせてごめんね。で、そろそろ行ってもいいかな? 割れたらめんど……、あー、魔殻(マジアブッセ)割れたら大変な事になるの」  にこっ、と笑う女の子だけど、俺は何も反応しなかった。 出来なかった。 女の子は首を傾げて俺の返答を待っている。 「……………………は?」  どっ、と一気に変な汗が噴き出た。 「えと、ちょっと話してる場合じゃないみたい。結界(ラバリエーラ)張るね」  デスクチェアーから立ち上がった女の子は、ふわっ、としたスカートを手で押さえるように直すと、両腕を真横に伸ばした。 手は腕と直角になるように手首から立てて、そして、くるり、と回る。 すると一周した時、きらきら、と光る何かと風が、女の子を中心に舞った。  ……はぁ!?
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