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出会いは平凡だった。
同じ中学でクラスが隣、委員会が一緒。
その委員会で仕事が一緒になって初めて
話すようになった。
「図書委員って案外面倒くせえのな」
「楽そうだったから入ったのにな~」
「俺もだよ~…。
選択ミスったかな俺」
もともと彼はクラスの中心にいる
様な明るい人だった。
だから少し人見知りしちゃう私でも、
すぐに打ち解けることができた。
図書委員の仕事がいつも一緒で、お互い
に意識をし始めるのにそう時間はかから
なかった。
「俺、伊藤のこと好きかも」
お互いを意識する時期が1年ほど続いて、
中学2年の冬、彼と付き合い始めた。
「わりぃっ、待った?」
「んーんっ!全然!」
「…嘘、鼻赤くなってるよ」
「嘘っ!」
「ははっ、顔も冷てー!」
サッカー部の彼を待って靴箱で待ち合わせ。
手袋をした彼が私の冷えた頬を包み込んで
くれる。
私の手を繋いで自分のポケットに入れて
歩き出す彼。
歩調を合わせてくれる彼の優しさに、
また惹かれていくのが自分でもわかった。
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