第六夜

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これはボクがまだ小学生だった頃、両親が出掛けて 家に弟と二人きりになった時の話です。 ヒマだったので、二人でカクレンボをしようということになりました。 最初ボクがオニになって、弟を捜し始めました。 そして、親の部屋に入り、洋服がたくさん掛けられてるタンスの 中に手を突っ込んだ時、いきなり手をグッと握られました。 ボクは弟を発見したと思い、手を握ったまま引っ張りだそうと しました。「早く出てこいよぉ!」と言ってその手を強く 引っ張っても中々出てきません。 洋服が邪魔で中の様子は見えないし、全然喋らないから オカシイなぁと思い始めてきました。 その時、背後から「お兄ちゃん何してんの?」と弟が現れました。 ボクは訳がわからなくなってその手を力一杯振りほどいて 猛ダッシュで家の外に逃げ出しました。 その後、両親が帰宅するまで家に入れなかったのは 言うまでもありません。 あの手は何だったんでしょうか? 泥棒?それとも・・・
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