誕生日

5/13
前へ
/358ページ
次へ
「大輝さんって、紗羽のことが好きで好きでしょうがねえって感じだったじゃん。意味わかんねえ」 そう言って、晴希は頭を抱えた。 晴希は大輝のことを凄く慕っていたから、きっとショックなんだろうな。 「晴希……あたし、今はこれで良かったって思っているよ。蓮に出会えたし……ね?」 微笑みながら蓮の方を見ると、蓮はあたしが大好きな笑顔を向けてくれている。 「晴希もきっと傍にいてくれる大切な人があらわれるよ」 「そうだな」 「今日はとことん飲もうね」 晴希はどこか納得がいかないような表情をしていたけれど、今日はみんなでとことん飲んだ。 「れーんー」 ほどよく酔いが回り、つい蓮に抱きついてしまった。 そしたら、 「紗羽、飲み過ぎ」 とビール缶を取り上げられた。 そのままくっついていたくて、蓮の胸に顔を埋めて目を閉じた。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6944人が本棚に入れています
本棚に追加