6944人が本棚に入れています
本棚に追加
◇◇◇
「晴希ぃー、ハッピーバースデー!」
気が付けばもう11月に入り、今日10日は晴希の誕生日。
「おー、サンキュー!」
「今日も悟んちで飲むからね」
「はは、楽しみにしとく」
あれから、晴希とは大輝の話をすることはなくなった。
あたしに気を遣っているのか、晴希自身ショックで口に出したくないのかはわからないけれど。
今日も五人で食堂に集まってお昼ご飯を食べた。
そのあともみんな講義がなかったから、ワイワイ楽しく過ごしていた。
「なんかキャーキャー聞こえない?」
美香はそう言いながらきょろきょろし始めた。
「確かに。なにかあったのかな?」
どこか遠くで、キャーキャー騒いでいる声が聞こえてきた。
気にはなったけれど、他人事だった。
そう、他人事だったんだ──
最初のコメントを投稿しよう!