記憶

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胸の中がだんだんモヤモヤしてくる。 「ごめん、ちょっと外の空気を吸ってくる」 頭を冷やしたくて窓からベランダへ出た。 風が冷たくて火照った頬が気持ちいい。 あの日、大輝の腕の中で何を話したんだっけ。 浮かんでくるのは異常なまでに優しかった大輝の姿だけ。 あの日までは確かに幸せだったんだ。 『紗羽は俺のことが好きか?』 『うん、大好き』 『どれくらい?』 『えー、言葉じゃ表せられないよ。とにかくいーっぱい!』 そう言ったあと、キスをかわして身体中を愛撫されて大輝と繋がったんだ。 あ、そういえば。 繋がった時、薄れゆく記憶の中で……。 そうだ! そうだった! あたし、大輝と約束したんだ。
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