6943人が本棚に入れています
本棚に追加
そのあとも酔いつぶれた美香以外の四人で飲みまくって、ほどよく酔いが回ってくるとやっぱり今日も蓮にくっついた。
「蓮、眠い……」
「寝ていいよ」
蓮の太もも辺りを枕にしてゴロンと横になる。
目を閉じると、とたんに睡魔が押し寄せてきた。
髪を撫でてくれる蓮の手が凄く気持ちがいい。
凄く眠くて意識は確実に遠退いていっているんだけれど、男三人が話している声が遠くで聴こえる。
「紗羽、大輝さんのこと何か話したか?」
「いえ、何も。明日話すって言ってました。ただ、さっきすっげえ泣いてたのが気になる……」
ごめんね、蓮。
「そっか。つーか、大輝さん、今更何なんだろうな。やっと紗羽が落ち着いたのに」
「ヨリ戻したいとか言ってんじゃねえだろうな」
「何となくそんな気もします」
蓮……。
お願いだから、あたしのことを離さないで。
揺れそうな気持ちを引き止めて。
蓮……。
心の中で何度も蓮の名前を呼びながら、そのまま眠りに就いた。
最初のコメントを投稿しよう!