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◇◇◇
アパートの部屋のいつもの位置に座って蓮の肩に頭を預けながら、大輝のことを何から話そうかと頭を悩ませていた。
蓮は何も訊かないし何も言わない。
あたしから話すのをずっと待っててくれている。
「蓮」
「ん?」
「あたしね、どきどきしたの……」
「え?」
「大輝に、会った時……」
「……」
「大輝に……じゃなくて、蓮に」
「え?」
蓮は予想外の言葉だったのか、目を見開いて驚いている。
「蓮は、大輝があたしに会いに来てどう思ってるんだろう……とか、あっさり手を離されたらどうしよう……とか、不安で痛いくらいにどきどきした」
「紗羽」
あたしの言葉に、蓮は安心させてくれるかのように目を細める。
そんなやさしい表情の蓮にあたしの心臓がトクンと音をたてたと同時に、心に安らぎを与えてくれて。
そのおかげで次の言葉が出やすくなった。
「……大輝についていった時、大輝は何か言い訳をしてくるんだろうなぁ……とか、どんな言い訳をするんだろう……とか思ってた」
「ん」
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